経口補水液の基本を学ぼう

熱中症対策として、欠かせない存在となったとも言っていいほど、普及してきたのが経口補水液です。

熱中症対策として経口補水液が活用されているのはいいことなのですが、間違った活用をしている場合も多く見受けられます。

今回は、間違った活用をしないように経口補水液の基本について詳しくみてみましょう。

経口補水液とは

経口補水液とは、脱水症状があるときに、水や電解質を素早く補給するための飲料です。

経口補水液の2つの特徴

経口補水液には下記の2つの特徴があります。

大量の汗をかき、電解質を失って熱中症になっている場合には、経口補水液が水分補給をするためには最適な選択肢です。

しかし、スポーツドリンクの約2倍のナトリウムが含まれているため、日常的な水分補給をする飲み物ではありません。

よくある間違った経口補水液の活用方法

① 日常的な水分補給として経口補水液を活用

経口補水液をスポーツドリンクのようにスポーツをしているときの普通の水分補給として、活用することはできません。

あくまでも、熱中症になってしまったときの応急手当てとしての水分補給です。

経口補水液には、多くの糖質とナトリウムが含まれているため、血圧や心臓に負荷がかかるため、日常的な水分補給としての活用はNGです。

② 経口補水液を凍らせる

スポーツドリンクのように凍らせて持ち歩いて、必要なときに経口補水液を飲んだ方が熱中症対策として、深部体温を低くできるからいいのではないかと考える方もいらっしゃいます。

「深部体温を下げるために冷たい飲み物を飲んで、体内から冷却する」という考え方は間違っていません。

ただし、経口補水液は、凍らせずに飲むという前提で脱水時に素早く水分を吸収するための配合となっているため、経口補水液を凍らせてしまうと、成分が分離してしまいます。

最初に溶ける部分には大切なミネラルが含まれていない可能性があります。

経口補水液の目的は、あくまでも、失った水と電解質を体内へ素早く吸収させることです。

凍らせたことによって、実際に体内に吸収される電解質が少なくなってしまうと当初の目的を達成することはできません。

経口補水液＝熱中症になってからの水分補給

経口補水液はあくまでも熱中症になってからの水分補給です。

熱中症対策という言葉には、熱中症になる前、つまり熱中症予防と熱中症になってしまった後の救急対応もしくは応急手当ての2つが含まれます。

経口補水液については、熱中症予防ではなく、熱中症になってしまってからの水分補給として活用してください。

暑い中、スポーツや運動、仕事やお庭の手入れなどをする際には、もしものときに経口補水液で水分補給できるように、クーラーボックスの中に冷やしながら入れておくようにしましょう！