熱中症対策として、欠かせない存在となったとも言っていいほど、普及してきたのが経口補水液です。
熱中症対策として経口補水液が活用されているのはいいことなのですが、間違った活用をしている場面も多く見受けられます。
今回は、間違った活用をしないように経口補水液の活用法について詳しく解説します。
経口補水液とは
経口補水液とは、脱水症状があるときに、水や電解質を素早く補給するための飲料です。

ちなみに、経口補水液は、「特別用途食品」です。
特別な健康上の理由を持つ人々のために、特定の目的に適するよう、国の許可を得て表示している食品です。
特別な健康上の理由を持つ人々=脱水症状がある人
特定の目的=脱水時に失われた水と電解質を体内に素早く吸収するため
経口補水液の2つの特徴
経口補水液は、食塩とブドウ糖をバランスよく混ぜて水に溶かしたものです。真水を飲むよりも経口補水液のように塩分と糖分がバランスよく含まれている液体の方が体内に吸収されやすくなります。
- ナトリウム(塩分)含有量はスポーツドリンクの2倍
- 糖質濃度は2%前後
経口補水液はこのように体内に早く吸収されやすい特徴があるため、脱水症状になってしまった人が水分・塩分補給をするためにはベストな選択肢となります。
しかし、スポーツドリンクの約2倍の塩分が含まれていて、糖分も多いため、日常的な水分補給として活用する飲み物ではありません。
よくある間違った経口補水液の活用方法
① 日常的な水分補給として経口補水液を活用する
経口補水液をスポーツドリンクのようにスポーツをしているときの普通の水分補給として、活用することはできません。
あくまでも、脱水状態、熱中症になってしまったときの応急手当としての水分補給です。
経口補水液には、多くの糖質と塩分が含まれているため、血圧や心臓に負荷がかかるため、日常的な水分補給としての活用はNGです。
② 経口補水液を凍らせる
スポーツドリンクのように凍らせて持ち歩き、必要なときに経口補水液を飲んだほうが熱中症対策として深部体温を下げるからいいのではないかと活用している方がいらっしゃいます。
「深部体温を下げるために冷たい飲み物を飲んで、体内から冷却する」という考え方は間違っていません。
実際にこのような冷却方法を身体内部冷却とも呼ばれています。
ただし、経口補水液は、凍らせずに飲むという前提で脱水時に素早く水分を吸収するための配合となっているので、経口補水液を凍らせてしまうと、成分が分離してしまいます。
最初に溶ける部分には、大切なミネラルが含まれていない可能性があります。
経口補水液の目的は、あくまでも失った水と電解質を体内へ素早く吸収させることです。
凍らせたことによって、実際に体内に吸収される電解質が少なくってしまうと、この当初の目的を達成することはできません。
経口補水液=熱中症になってからの応急手当としての水分補給
経口補水液は、あくまでも脱水、すなわち熱中症になってからの水分補給です。
熱中症対策という言葉には、熱中症になる前、つまり熱中症予防と熱中症になってしまった後の救急対応もしくは応急手当の2つが含まれます。
経口補水液については、熱中症予防ではなく、熱中症になってしまってからの応急手当としての水分補給として活用してください。
経口補水液を使用するときのポイント
熱中症になってからの水分補給として経口補水液は活用しますが、いくつかポイントがあります。
経口補水液は塩分を多く含まれているため、大人の場合には1日の摂取量を「500-1000ml」を目安としてください。
また、経口補水液だけでなく、飲料は常温よりも5-15℃くらい冷たい方が胃にとどまる時間が短く、スムーズに小腸に移動して身体に吸収されます。さらに、身体内部冷却として、冷たい飲み物を飲むことによって体の内側から冷やされ、深部体温を下げることもできます。
暑い中、スポーツや運動、仕事やお庭の手入れなどをする際には、もしものときに応急手当として経口補水液が冷たい状態で水分補給できるように、クーラーボックスなどの中に冷やしながら入れておくようにしてください。
