暑熱対策とは
- 暑い環境下でのスポーツ中のパフォーマンス低下と熱中症に対する予防への取り組みが中心です。
2. 重度の熱中症(労作性熱射病)の場合、スポーツ現場でも死亡するケースが報告されています。
3. 暑さと運動による過度な深部体温の上昇を抑えることによって、パフォーマンス低下や熱中症を防ぐことができます。
4. 体温調節と運動との間で血液量の取り合いが起こり、持久力や認知・判断力などのパフォーマンスが低下します。
5. 熱中症は、スポーツや運動、労働中など体を動かしているときに起こる労作性熱中症と、高齢者などが自宅で安静にしていて起こる非労作性熱中症に分類されます。
6. 熱中症は、深部体温が上昇し、上手く体温を調節できなくなり、体内に熱がこもってしまい様々な症状が生じます。
さらに熱中症は症状によって、熱失神、運動誘発性筋けいれん、熱疲労、熱射病に分類されている総称の障害です。
熱中症から身を守る
- 熱中症から身を守るためには、下記の3つの予防が重要です。
- 熱中症を起こらないようにするための予防(一次予防)
- 熱中症が起こってから悪化しないための予防(二次予防)
- 熱中症から社会復帰・競技復帰(三次予防)
関係者全員に一次予防と二次予防に関する啓発・研修が必要です。
2. 適切かつ迅速に救急対応をすることで救命率100%と言われている労作性熱射病死亡ゼロを目指して、スポーツ現場ではEAP(エマージェンシーアクションプラン: 緊急時対応計画)を中心に救急対応の体制を整えましょう。
- EAPの作成
- シミュレーション訓練
- EAPハドル
3. 労作性熱射病の疑いのある救急対応として、発症から30分以内に深部体温を39度以下に下げる冷却方法を現場の状況に合わせて確保する必要があります。
- アイスバス法
- ブルーシートを使うTACO
- 水道水散布法
- アイスタオル法
4. 熱中症の症状に合わせた応急手当を実施できるようにしましょう。
- 熱失神
- 運動誘発性筋けいれん
- 熱疲労
5. 熱中症疑いが発生した場合には、倒れた人への対応後には報告書を作成し、関係者に報告し、調査・分析する。必要に応じて安全マニュアルを更新しましょう。
活動場所での発生時以外でも、ニュースなどで熱中症の報道があった場合には自チームで同じような事例が起こった場合に適切に対応できるかをチームで検証し、必要に応じて安全マニュアルを更新してください。
リスクを把握する
- 環境に関するリスク
- 高温: 皮膚温より外気温が高い
- 湿度が高い: 60%から汗が蒸発しにくくなる
- 暑さ指数 (WBGT)
- 閉め切った室内: 風がない
- 水中(プール、海水浴など)
- グラウンド・サーフェイス
- など
2. カラダに関するリスク
- 年齢(子ども、高齢者)
- 性別(女性)
- 熱中症の既往歴
- 低い身長(子ども)
- 暑さに不慣れ
- 体力不足
- 肥満
- 脱水状態
- 欠食
- 睡眠不足
- など
3. 身体活動に関するリスクを把握し、環境やカラダに関するリスクに応じて調整する
- 活動時間
- 強度
- 頻度
- 休息時間
- 時間帯
- 衣類・服装
- 防具
- スポーツ用具
- など
リスクを減らす
- 食事を含めて、運動前・運動中・運動後の水分補給戦略を立てる
- 体重の測定
- おしっこの色と量
2. 10日から14日間かけて段階的に身体を暑さに慣れさせる(暑熱順化)。順化後も機能が低下しないように持久力トレーニングを実施する。
3. 深部体温をコントロールするために身体を冷やす方法は、体の内側から冷やす内部冷却と外側から冷やすこ外部冷却に分類されます。
競技特性に合わせて、どのような方法が下記のタイミングで活用できるかを考えましょう。
- 運動前: ウォーミングアップ前
- 運動中: ウォーミングアップ中、練習中、試合中、練習や試合中の休憩時間
- 運動後: クーリングダウン中、クーリング後、帰宅中、自宅(睡眠中も含めて)
4. 冷房や扇風機などを利用して環境を冷やす。また施設や地域での涼しい町づくりの取り組みも含まれる。大会やイベントなど観客への取り組みもスポーツ現場での暑熱対策には含まれます。
5. 入浴や睡眠を含めたリカバリー戦略で自律神経を整える。
6. スポーツ中以外でも、冷感グッズや日傘、服装も含めて深部体温・表面体温を下げる工夫をして、積極的に取り入れましょう。体温を下げずに涼しく感じるグッズについては逆効果になる可能性があるので注意が必要です。
